「今月の医療情報」カテゴリーアーカイブ

児童精神科医療の充実を

7号 2000年5月26日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

児童精神科医療の充実を

厚生省は「健やか親子21」検討会のなかで「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」について議論をし、思春期のメンタルヘルス対策として、児童精神科医療の充実に取り組む必要性があげられた。

「健やか親子21」とは、21世紀の母子保健について10年後の目標値を設定し、国民運動として展開していく予定。思春期の保健対策をめぐって、学校と関係機関、保健所等との連携を積極的に推進する必要性があるとの意見があがっている。

ポリオワクチンに接種による健康被害か?

今年4月、福岡県でポリオワクチン予防接種を受けた女児が死亡、男児が無菌性髄膜炎を発症したケースについて、厚生省は専門家を6人派遣し調査に乗り出した。

厚生省は、全国の都道府県に対し、因果関係がはっきりするまで「製造ロット番号39」ワクチンの接種を見合わせるよう通達している。

結核集団感染 82名に

名古屋市の公立高校の教諭から、同校の職員・生徒4名が結核を感染し、発病した。その他78名にも感染した疑いがあるとした。

学校内における集団結核感染はこれからもありえることなので、学校現場での感染症対策を早急に立ち上げてほしいと思う。

麻疹(はしか)撲滅へのステップ

6号 2000年4月20日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 沖縄県内で、一昨年8月から昨年9月までの1年間に渡って麻疹(はしか)が流行しました。幼い子ども達が麻疹(はしか)に伴う合併症の急性脳症や麻疹肺炎等で亡くなったことは皆様もご記憶に新しいことと思います。

 今回の沖縄県内の麻疹罹患数は全国の報告数の実に約20%(沖縄県2,034人、全国10,617人)を占めており、いかに沖縄県が他府県に比べて麻疹流行がすごかったか認識できます。麻疹(はしか)で入院した患者の約70%は2歳未満の乳幼児で、そのほとんどは予防接種を受けておらず、死亡者は8名でした。

 麻疹(はしか)は予防接種の効果がはっきりしており、地域における予防接種率が95%以上であれば流行は阻止できると言われています。沖縄県内の麻疹(はしか)の予防接種率は約62%と低く、大流行の素地は今年も同じです。

 県内を市町村別ににみると麻疹(はしか)の予防接種率に格差が見られます(30%から100%)。予防接種の実施主体は各市町村になっていますが、市町村の取り組み方によって接種率の格差が生じることは決して許されるものではありません。これからますます少子高齢化社会へと移行する時代にあって、市町村の予防接種行政の差によって生じる不公平が起きてはいけません。沖縄県民の子ども達はおしなべて等しく公平に健康を維持するための権利を有しています。

 那覇市では麻疹(はしか)の予防接種が無料になり、年間を通していつでも個別接種できるようになってから飛躍的に接種率が高くなりました(84.5%)。その他の市町村では医師のマンパワー不足や予算不足等により、やむを得ず集団予防接種体制を取っているところもまだあります。しかし、市町村の行政の壁を撤廃し、被接種者が沖縄県内の「どこでも、いつでも無料で予防接種が受けられる」制度が構築されるのなら、県内の麻疹(はしか)予防接種率の向上とともに麻疹(はしか)撲滅が近い将来に達成されるものと思います。市町村に存在する予防接種行政の障壁を1日でも早く撤廃できるよう希望します。

 予防接種の実施に際しては、麻疹(はしか)ワクチンの反応を極力なくするよう製薬会社への要望はもちろんのこと、接種する医療サイドにも予防接種に伴う健康被害が発生しないように充分に気をつけながら接種事業に協力していきます。

 当面の対策としては1歳になったら早めに麻疹(はしか)の予防接種を受けて、県内の麻疹予防接種率が95%に達するよう「市町村・各医師会・被接種児を持つ地域住民」の連携をとり、沖縄県内での麻疹(はしか)撲滅を達成できるよう努力していきます。

インフルエンザ減少、麻疹流行

5号 2000年3月1日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

インフルエンザ患者は減少

 厚生省結核感染症課の発表では、2月20日~26日の期間で児童のインフルエンザ発症が減少しているとのことです。昨年より早めに流行が収束しています。累計患者数は48万7893人。休校は47校で、学級閉鎖校は414校でした。

麻疹(はしか)の流行

 麻疹(はしか)はこれから春先にかけて流行してきます。国内での発生報告数が2週間続けて増加しています。子どもの年齢が1歳を過ぎたら早めに麻疹(はしか)の予防接種を受けましょう。

 麻疹もインフルエンザのように肺炎(麻疹肺炎)や脳炎(麻疹脳炎)を起こす危険性があります。罹患すると40℃の高熱が持続し、発熱後3日~4日目に発疹が出現し、なおかつ高熱も継続します。合併症(前述の麻疹肺炎・麻疹脳炎)による死亡報告も毎年あります。

 予防接種を受けた子どもには予防効果が期待できます。よしんば罹患したとしても軽症で済みます。予防接種対象者にはできるだけ接種を薦めます。

インフルエンザの定期接種

4号 2000年2月1日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 インフルエンザの予防接種を「任意接種」から「定期接種」へ。 65歳以上の高齢者に限って定期接種を行うことに決定しています。厚生省の発表では来年か再来年にかけて本格的な実施を行うとのこと。

 アメリカでは、子どものインフルエンザ予防接種を奨励するべきとの議論がでています。現在までアメリカではインフルエンザの予防接種は奨励してませんでしたが、今回の大流行で予防接種が必要かどうか検討する必要があるとのことです。

インフルエンザA型が流行中

3号 2000年1月24日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

A香港型、Aソ連型が流行中

 厚生省の「感染症発生動向調査・週報」によると、昨年末に比べ倍増、患者数は2万7000人を超えています。全国42道府県でインフルエンザが分離同定されています。Aソ連型とA香港型のインフルエンザウィルスの混合流行です。全国で約40校で学級閉鎖を行っています。

 今回はワクチン数が不足しています。予防接種を受けていない人は、人ごみの中に行かない、うがいを頻回に行う、手洗いをする、過労を避け睡眠を多めにとるなど心がけてください。A型に有効な薬剤(アマンタジン)があるので、突然の高熱がでたら、早急に医療機関を受診してください。

インフルエンザ、感染性胃腸炎、結核

2号 2000年1月
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

インフルエンザ情報

 厚生省の1月7日の発生報告によると、インフルエンザ累計患者数が1万6758人となり現在1万人を超えています。前年同比では約9倍に増えています。分離されたウイルスは、Aソ連型が多いとのこと。当初の流行予測のA香港型は多くないようです。

 イギリスやイタリアでインフルエンザが大流行とのことで、日本国内でも今後大流行にならないか心配です。

 予防対策としてワクチン接種を受けていない方は、なるべく人ごみの中に行かないようにすることや、帰宅後は速やかにうがいや手洗いをすること。充分な栄養と疲労を避けることなどです。

感染性胃腸炎

 厚生省の感染症動向調査によると、全国的に感染性胃腸炎が流行しているとのことです。頻回の嘔吐と、下痢が主な症状です。起炎菌はロタウイルスが多いようです。

 乳幼児は特に重症になりやすいので脱水症に気をつけましょう。

結核

 北海道の医療機関で9人結核感染者が発生しています。厚生省の結核非常事態宣言の後も結核発症は続いています。感染ルートはおもに結核患者からの飛沫感染です。

 ながびく咳症状の際はかかりつけ医を受診してください。

インフルエンザに気をつけましょう

1号 1999年12月
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 いよいよ冬の季節になりました。 今年もインフルエンザの流行に気をつけましょう。

 厚生省はA型やB型インフルエンザに効果のある新薬の販売を許可しました。この薬は、インフルエンザを発症してから早期に服用すれば、発熱などの症状が軽く済みます。

 突然の40℃近い高熱が見られたら24時間以内の早期に最寄のクリニックを受診してください。特にインフルエンザワクチンの予防接種を受けられなかった方は注意をしてください。

 A型インフルエンザとB型インフルエンザに効果のある薬剤は厚生省の発表によると、来年の1月に発売されるとのことです。

 今月、東京で患者から分離されたインフルエンザはA型とのことです。幸いA型のみに効果のある薬剤は昨年から処方できるようになっています。薬品名はアマンタジンという薬で、従来はパーキンソン病に処方されていた薬剤です。A型インフルエンザに罹患して早期(24時間以内)にアマンタジンを服用すれば効果があります。

 インフルエンザかな?と思ったら、早めに医師の診察を受けてください。