
301号 2026年 8月22日
夏本番となり、厳しい暑さが続いています。この時期、注意が必要になるのが、「夏の感染性胃腸炎」やヘルパンギーナをはじめとする「夏風邪」です。
「夏風邪や胃腸炎は子どもの病気」と思われがちですが、大人も感染し、重症化することがあります。
沖縄では、年間を通じて温暖な気候やクーラーによる室内の密閉環境などが影響し、夏場にかけて感染性胃腸炎やヘルパンギーナなどの夏風邪が流行しやすい傾向があります。特に最近は手足口病などの夏風邪全般の報告数が増加傾向にあり、家庭内や職場での二次感染にも警戒が必要です。
大人も感染する?
「大人はかからない」と思われがちですが、大人にも感染します。大人の場合、仕事の疲れや寝不足、クーラーによる寒暖差などで免疫力が低下しているとウイルスに感染しやすくなります。
※特に高齢者の方や、糖尿病・心臓病・呼吸器疾患などの基礎疾患をお持ちの方は注意が必要です。
- 重症化や脱水のリスク
喉の激しい痛みや下痢・嘔吐によって水分補給が難しくなると、若年者よりも急速に脱水症状が進みやすくなります。 - 持病の悪化
高熱や脱水が引き金となり、持病(血糖コントロールの乱れや血圧の変動など)が悪化するリスクが高まります。 - 二次感染
体力が低下しているところに細菌感染などを併発し、肺炎や気管支炎を引き起こすケースもあります。
ご高齢のご家族がいる場合や、持病をお持ちの方は特に初期症状を見逃さないことが大切です。
感染経路
- 飛沫感染
感染者のくしゃみや咳、会話のつばなどを吸い込むことによる感染。 - 接触感染
ウイルスがついた手で口や鼻、目に触れたり、ドアノブやタオルを共有することによる感染。 - 経口感染(胃腸炎など)
汚染された食べ物や水、便から手を介してウイルスが口に入る感染。
症状
- ヘルパンギーナ(夏風邪)
突然の38〜40度の高熱と、のどの奥(口蓋)にできる水疱(水ぶくれ)・強い痛みが特徴です。のどの痛みで食事や水分が摂りにくくなります。 - 夏の感染性胃腸炎
突然の吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などが現れます。特に高齢者の方は熱が出にくく、嘔吐や下痢から急速に元気がなくなる場合があるため注意が必要です。
治療
これらの原因となるウイルス(エンテロウイルスやアデノウイルス、ノロウイルスなど)に対する特別な特効薬はありません。そのため、症状を和らげる「対症療法」が基本となります。
- 発熱や痛み
解熱鎮痛剤などで症状を抑えます。持病をお持ちの方は、お薬の飲み合わせを確認する必要があるため、市販薬を自己判断で服用せず一度ご相談ください。 - 水分補給
脱水症状を防ぐため、経口補水液やスポーツドリンクなどで少量ずつこまめに水分を補給します。 - 安静
消化の良い食事を心がけ、しっかりと休養をとって免疫力の回復を待ちます。
予防方法
- 丁寧な手洗いの徹底
帰宅時、トイレの後、食事の前には、石けんと流水でしっかり手を洗いましょう。 - タオルや食器の共有を避ける
感染者がいる場合、タオルやコップの使い回しは厳禁です。 - アルコール+消毒の工夫
夏風邪や胃腸炎の原因ウイルスには、一般的なアルコール消毒が効きにくいものもあります。便座や手すりなどには塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めた消毒液が有効です。
「のどが痛くて水分が摂れない」「持病があるけれど熱が出て心配」など、体調に異変を感じたら我慢せずお気軽にご相談ください。
