173号 2015年 3月 23日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 おたふく風邪は、ムンプスウイルスが原因の急性伝染性疾患です。ムンプスウイルスは唾液を介した飛沫感染により感染します。正しくは「流行性耳下腺炎」といいます。耳下腺(じかせん)の腫れは3日目頃がピークでその後1週間前後で消失します。

症状

  • 耳下腺のはれ
    耳下腺部(耳たぶ~耳の前のあごのライン)が腫れます。片側から始まり、1~2日のうちに両側が腫れてきます。痛みも伴います。痛みが強い場合は、耳の下からあごにかかるあたりを、ぬれタオルなどで冷やしてあげましょう。
  • 発熱
    熱は出ないこともありますし、高熱が出ることもあります。発熱した場合でも2~3日で自然に下がります。
  • 食欲低下
    耳下腺が腫れて痛いため、食べ物がかみにくい、飲み込みにくいなどの症状が出ることもあります。
  • 唾液腺のはれ
    約50%の人は唾液腺が腫れます。耳下腺のはれと同じで痛みを伴うこともあります。

※合併症として、脳炎、脊髄炎、聴力障害、無菌性髄膜炎などを起こす場合があります。

ケア

  • 食事
    痛みが増すことがあるので、すっぱい食べ物は避けましょう。なるべく、かまずに飲み込めるような食事を用意してあげましょう。
  • 水分
    水分を十分にとりましょう。水分をとれない場合は少量づつ頻繁に与えましょう。
  • 入浴
    熱があったり、痛みが強い場合、具合が悪い場合は、入浴を控えましょう。

予防方法

  • 1歳から任意接種(自己負担)で予防接種が受けられます。はしかや水ぼうそうほど感染力は強くありません。はしかや水ぼうそうの予防接種をすませた後、受けておくと安心です。
  • 外から帰ってきたら、必ずうがいと手洗いをしましょう。
  • 自分専用のタオルを使いましょう。

幼稚園、学校

腫れが外から見てわからなくなるまでは他の子にうつることがあるので、約1週間は休ませましょう。学校保健法での登校基準は「耳下腺の腫脹がある間はウイルスの排泄が多いので、腫脹が消失するまで出席停止とする。」となっています。

ほっぺたがはれていると思ったら病院で診てもらいましょう。また、高熱が続いたり、極端に機嫌が悪く嘔吐を繰り返したり、けいれんを起こした場合は急いで近くにある病院を受診しましょう。

予防接種の実施は、市町村によって方法や時期が異なります。詳しいことは地域の保健センターなどに問い合わせてみましょう。