46号 2005年 3月 1日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 「インフルエンザ」と「風邪」は、原因となるウイルスの種類が異なります。風邪はのどや鼻に症状が現れます。インフルエンザは急に38~40℃の高熱がでるのが特徴です。

 インフルエンザは倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これらの症状は通常5日間ほど続きます。気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。

インフルエンザと風邪の比較

  インフルエンザ 風邪
症状 ・突然の高熱(38℃を超える発熱)
・上気道炎症状(咳、鼻汁など)
・全身倦怠感等の全身症状
・頭痛、関節痛、筋肉痛など
・のどの痛み
・鼻がむずむずする
・水のような鼻汁が出る
・くしゃみ、咳が出る
・発熱なし、もしくは微熱
・全身症状はほとんどない
合併症 気管支炎、肺炎、脳炎、脳症 まれ
迅速診断法 あり なし

インフルエンザの予防方法

  • 栄養と休養を充分にとる
  • 人ごみを避ける
  • 適度な温度、室温を保つ
    ウイルスは低温、低湿を好み、乾燥しているとウイルスが長時間空気中を漂います。加湿器などで室内の適度な湿度を保ちましょう。
  • 手洗いとうがい
    手洗いは接触による感染、うがいは喉の乾燥を防ぎます。
  • マスクをする
    混雑している場所ではできるだけマスクをしましょう。

 インフルエンザの症状がでたら、早めに病院で診察を受けましょう。
高熱がでてから10時間以内に抗インフルエンザ薬を服用すると早く治癒します。

 予防接種の実施は、市町村によって方法や時期が異なります。詳しいことは地域の保健センターなどに問い合わせてみましょう。