147号 2012年 12月 19日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 ノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎は初冬から増加し始め12月~1月頃にピークとなります。今年はすでに去年と同じ時期の2.5倍を越える感染者数となっています。ウイルスの潜伏時間は24~48時間です。お腹にくる風邪とよく似た症状です。 一般的に症状は1~2日で治まりますが、治っても2週間ほどは便の中にウイルスが排泄されます。

感染経路 

  • 経口感染
    ・ウイルスに汚染された食品
    ・感染した人が調理した食品
  • 空気感染
    ウイルスを含む吐物などがほこりとなり空気中を漂う。
  • 接触感染
    ドアノブ、衣類などから手指を介して口に入る。

症状

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 発熱(38度以下)

嘔吐や下痢で脱水症状を起こすことがあります。水分の補給に気をつけましょう。

予防方法

  • 食品の加熱
    食品の中心まで十分、熱を通しましょう。中心温度85℃で1分が目安です。
  • 手洗い
    特にトイレの後は、薬用石鹸などでよく洗いましょう。手洗い後は、ペーパータオル等を使い、蛇口に直接触れないようにしましょう。
  • 調理器具などを清潔に
    まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤で殺菌しましょう。
  • 入浴
    下痢の症状があるときはシャワーだけにして、お尻を丁寧に洗いましょう。
  • 自分専用のタオルを使いましょう。

 便や吐物の処理をする時は素手で触らず、必ずビニール手袋を使用しましょう。汚物の消毒は市販の塩素系消毒剤(漂白剤)を希釈した消毒液を使用してください。
 食品安全委員会>ノロウイルスの消毒方法

 下痢・嘔吐がひどい場合等には、早めに医師の診察を受けましょう。