82号 2008年 1月 17日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 アタマジラミは、卵を髪の毛に産み付け、幼虫、成虫ともに人に寄生します。成虫の大きさは約2~3ミリで灰白色をしています。アタマジラミの卵は約0.5ミリ、約一週間で幼虫になり、約2~3週間で成虫となります。卵は1日に約5~6個、頭髪に生みつけます。成虫の寿命は1~1.5ヶ月程です。温度や湿度にもよりますが、吸血しないと2~3日程度で死んでしまいます。

 アタマジラミの発生は、80%が0歳~9歳の子どもで占めています。子どもに発生が多い原因としては、距離をとらず集団で昼寝をしたり、兄弟間でヘアブラシを共用することが多いため、大人よりうつりやすいと考えられます。また、シャンプーやお湯が目や口などに入るのを嫌がるため、洗髪が不十分なことが考えられます。

アタマジラミの症状

  • 激しいかゆみ
    頭皮から血を吸われるため、刺されると激しいかゆみをおこします。

見つけ方

  • 頭をよくみて、何か白いものがたくさん付いていたら、アタマジラミの卵です。卵は毛髪の根本近く、特に後頭部など、髪が厚めになったところに多くみられます。卵は透明なセメント様物質で頭髪にしっかりと固着しています。フケと間違えないように注意しましょう。

駆除方法

  • 毎日、洗髪する
    毎日、髪の根元までしっかり洗髪しましょう。小さいお子さんは自分で洗うと、洗い方が不十分なので洗髪してあげてください。
  • 目の細かいクシで髪をすく
    洗髪後、目の細かいクシで髪をすくことで、髪の毛に産み付けられた卵を取ることができます。
  • ドライヤーで髪を乾かす
    卵が熱に弱いため、アタマジラミの卵に有効です。
  • 髪はできるだけ短くする
    アタマジラミは頭髪に生息します。生息場所を少なくしましょう。
  • 枕カバー、シーツ、タオル、下着類は毎日取り替える
    55度以上の温水に10分間浸した後、洗濯、アイロンがけをしましょう。
  • 薬品を使う方法
    アタマジラミ駆除用の薬(パウダータイプ、シャンプータイプ)が、薬局で市販されています。駆除剤は使用上の注意に基づき、用法、用量を守り正しく使用しましょう。
    ※薬などによるアレルギー症状(発疹、かゆみ、かぶれ)を起こしたことのある場合は、使用前に医師又は薬剤師に相談しましょう。
  • 駆除剤が効かない場合もあります。薬が効かないアタマジラミは、目の細かいくしですき取って駆除するしかありません。

予防方法

  • 帽子、ヘアブラシの共用はやめましょう。
  • 衣類、タオル、寝具などの共用はやめましょう。
  • シーツやタオルなど、頭に触れるものは毎日交換し、洗濯しましょう。

 アタマジラミは清潔にしていても、子供同士の接触によりうつります。「不潔」、「だらしない」といった一言が子供の心を傷つけてしまうことがあります。子供たちの心を傷つけないよう、正しい知識を持って迅速に対応しましょう。