199号 2017年 6月 20日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦
夏に流行するウイルス性の病気を、一般的に「夏かぜ」といいます。
「夏かぜ」の代表は、咽頭結膜熱(プール熱)、へルパンギーナ(急性ウイルス性咽頭炎)、手足口病です。これらの感染症には、特効薬はなく、それぞれの症状に対する対処療法が中心です。今年は特に「プール熱」の患者さんが過去10年で最も多くなっています。
病状
- 咽頭結膜熱(プール熱)
6月ころから流行しはじめ、7~8月が流行のピークです。原因はアデノウイルスです。
感染から発症までの潜伏期間は、約5~6日。38~40℃の高熱が4~5日間続きます。
高熱、ノドの痛み、結膜炎を伴います。
症状が消えてからも2日間は学校をお休みして、お友達との交流もひかえましょう。 - ヘルパンギーナ(急性ウイルス性咽頭炎)
流行のピークは6~8月です。代表的な夏かぜです。原因はコクサッキーA群ウイルスです。感染から発症までの潜伏期間は、約2~4日。38~39℃の熱が2~3日続きます。
急な発熱、口内炎を伴います。
幼稚園、学校は、熱や痛みがなく、症状が落ち着いてきたら行ってもかまいません。 - 手足口病
流行のピークは夏季ですが、秋から冬にかけても発生が見られます。
原因は、コクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71などのウイルスです。
感染から発症までの潜伏期間は、約3~6日。軽い発熱ですむことがほとんどです。
発疹と水疱、食欲低下を伴います。
幼稚園、学校は、熱や痛みがなく、症状が落ち着いてきたら行ってもかまいません。
※3疾患とも、頭痛、腹痛、嘔吐、下痢などの症状がでることもあります。
ケア
- 食事
かまずに飲み込めるような食事を用意してあげましょう。 熱いもの、塩味や酸味の強いものは控えましょう。 - 水分
水分を十分にとりましょう。麦茶、イオン飲料などを与えましょう。水分をとれない場合は少量づつ頻繁に与えましょう。 - 入浴
特に具合が悪くない場合は汗を流してもかまいません。 - 睡眠
睡眠をしっかりとって、体力、免疫力を高めましょう。
予防法
- 手洗いとうがい
必ずうがいをして、目や手を洗いましょう。体を拭くときは自分専用のタオルで拭きましょう。
高熱や頭痛・嘔吐がひどい場合等には、早めに医師の診察を受けましょう。
家に帰ったら、必ず手洗いとうがいをしましょう!しっかり食べて、ぐっすり寝て体力をつけましょう!