84号 2008年 3月 20日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 例年、ノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎は初冬から増加し始め12月頃にピークとなります。ロタウイルスはノロウイルスのピークが終わる頃に流行し始めます。近年、流行のピークが遅くなり、ロタウイルスの流行のピークは1月~4月になってきています。

 ロタウイルスは、乳幼児を中心に流行します。乳幼児のほとんどが5歳までにロタウイルスに感染するともいわれています。

ロタウイルスの症状

  • 下痢(白色)
  • 嘔吐
  • 発熱(38度以下)
  • 腹痛

ウイルスの潜伏時間は24~48時間です。お腹にくる風邪とよく似た症状です。 一般的におう吐は1~2日、下痢は1週間程度で治まりますが、治っても2週間ほどは便の中にウイルスが排泄されます。

ケア方法

  • 衣類・寝具
    便やおう吐物で汚れた衣類やシーツなどは、塩素系漂白剤に約30分つけおきしてから、他のものと分けて洗濯しましょう。
  • 水分
    おう吐や下痢で急激に水分を失うため、水分を十分にとりましょう。麦茶、イオン飲料などを与えましょう。
  • 入浴
    まず、おしりを石けんでよく洗ってから入りましょう。症状のある時は、シャワーだけにしましょう。回復後もウイルスが排出されている期間(約2週間)は入浴の順番は最後にしましょう。
  • 手ぬぐいやバスタオル
    自分専用のものを使いましょう。

予防方法

  • 食品の加熱
    食品の中心まで十分、熱を通しましょう。中心温度85℃で1分が目安です。
  • 手洗い
    特にトイレの後は、薬用石鹸などでよく洗いましょう。手洗い後は、ペーパータオル等を使い、蛇口に直接触れないようにしましょう。
  • 調理器具などを清潔に
    まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤で殺菌しましょう。

 下痢・嘔吐がひどい場合等には、早めに医師の診察を受けましょう。