176号 2015年 6月 26日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦
沖縄では熱中症の患者数が増えています。熱中症は、体内の水分と塩分の不足でおこります。体が暑さに慣れていない梅雨明け前後は、塩分の多い汗をかいて体温を下げようとするため、水分と塩分が失われ、脱水症状になりやすくなります。
そのほかの症状は、痛みを伴う筋肉のけいれん(こむら返りなど)、全身のけいれん、一過性のめまいや意識消失、意識障害、のどの渇き、尿量の減少、脱力感、吐き気、嘔吐、体温上昇、発汗多量、全身の倦怠感、皮膚の乾燥などがあります。
室内にいても熱中症になることがあります。
室内で熱中症になりやすい環境
エアコンをつけない→温度、湿度が高い
窓を閉め切る→風通しが悪い
室内の熱中症予防
エアコンの冷房、ドライ機能を使いましょう。
扇風機で空気の流れを作りましょう。
水分補給の目安
- 就寝前
コップ1杯半(約300ml)
睡眠中にも300ml~500mlの水分が失われています。睡眠前の水分補給を怠ると寝ている間に脱水症状になることもあります。 - 室内
30分おきに一口(30~50ml) - 買い物、散歩
30分おきにコップ1~2杯(200~400ml) - 運動
30分おきにペットボトル1~2本(500ml~1ℓ)
予防
- 体調を整える
睡眠不足や風邪ぎみなど、体調の悪いときは暑い日中の外出や運動は控えましょう。 - 通気性、吸汗性の良い服を着る
- 帽子を被る
外出する時は、つばの大きい帽子を被り、後頭部と首に直射日光が当たらないようにしましょう。 - 水分補給
普段-ミネラルウォーター、麦茶を十分に補給しましょう。
運動をしたとき-水分・塩分(ミネラルを含むスポーツドリンクなど)を十分に補給しましょう。 - 休憩をとる
疲れを感じなくとも、こまめに休憩をとりましょう。
応急処置
- 風通しのよい木陰などに頭を高くして寝かせましょう。
- 衣服をゆるめて楽にしましょう。
- 冷たい水で冷やしたタオル(冷たいペットボトルなどでも代用できます)で脇の下や足の付け根を冷やしましょう。冷たい水や氷がない場合は、タオルやうちわ、衣服などを使ってあおぎましょう。
- 水分補給をしましょう。0.1%くらいの塩水か、スポーツドリンクを少しずつ何回に分けて補給しましょう。熱いものやアルコール類は禁物です。
- 足を高くして休みましょう。
水分補給が自分でできない場合はすぐに病院へ行きましょう。
意識がない、ひきつけをおこしている場合は救急車を呼びましょう。
気温が35度を超える日は運動を控えましょう。また、ご高齢のかたは外出を控えましょう。
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- 嘔吐