世界エイズデー シンポジウムに参加して

2003年12月
沖縄県医師会常任理事 真栄田 篤彦

 12月1日は世界エイズデーとして、世界中でエイズに関する催し物が開催された。私は、文部科学省主催の東京のイベントにシンポジストとして参加してきた。

基調講演から

 基調講演によると、HIV(エイズを起こすウイルス)感染症にかかってからエイズ発症まで個人差はあるが、平均的には8~10年でエイズとなり、種々の感染症を併発し死に至る。

 最近の知見では、感染初期から、かなりのHIVウイルスが体内で増殖していく。人間の免疫力があるうちは、免疫による破壊がウイルスの増殖を抑え込んでいる。そのバランスが崩れたときがエイズ発症である。

 感染早期に最新治療をすることで、エイズ発症の時期をかなり遅らせることができるようになった。しかし、いったん人間の体内にHIVウイルスが感染すると、現在の医学ではこの細胞をゼロにすることはできない。つまり、HIV感染者は生涯にわたり抗エイズ薬を服用する必要がある。

沖縄県の現状

 沖縄県は全国統計とは異なり、HIV感染者数はエイズ患者数より少ない。HIVに感染していることを気づいていない人が多いと予測できる。気づいていない人達は早急にHIVの血液検査をうける必要がある。

 保健所でHIVの血液検査を実施しているので、ぜひ一度検査を受けることを勧める。HIV感染の初期に治療を始めれば、エイズ発症を遅らせることができる。保健所の検査結果は極秘に扱われるので、プライバシー保護について安心して受診検査できる。

沖縄県の「高校エイズフォーラム2003」

 沖縄県のエイズ関連報告として、10回目を迎えた「高校エイズフォーラム2003」を紹介した。県内の各高校から約10人づつの代表が集まり、エイズに関する企画と運営をおこなう。クイズ、演劇、ダンスなどをとおして、エイズの疾病概念や、感染経路及び予防方法を訴えている。エイズへの不安や偏見をなくそうと、一生懸命に舞台で表現している。

 フォーラムに参加した高校生15~18才のアンケート調査には、「他人事としか捉えていなかったが、身近な存在として偏見を持つことなくエイズに接していける」、「一日も早く世界中のエイズが治るよう医療に期待する」等のコメントが寄せられている。

 正しい知識を身につけることが、HIV感染・エイズから日本全体を守ることにつながる。