学校医の新たなる役割

3号 2000年6月20日
沖縄県医師会理事・沖縄県保健体育課保健技師 真栄田 篤彦

従来の学校保健活動は、主に一般健康増進の維持であった。最近の学校保健活動は、児童・生徒たちの「こころの問題」についても学校医として何らかの関与をしなければいけないと痛切に感じる。

全国的に、学校現場での「いじめ、暴力、逸脱した性行為」さらには「薬物乱用」と、学校内だけでは対応の難しい状況が生じている。これらの問題は、子ども達の家庭や、地域の環境などに起因していることを見逃してはいけない。

家庭の問題

子どもによる親兄弟への暴力、保護者による子どもへの暴力行為などの家庭崩壊の延長に、学校現場で各種問題が発生していると考えられる。

家庭内の育児や教育・こころの問題に他人が関与することは難しい。家庭から外に対して救いを求められて、はじめて協力できる。担任教諭・養護教諭・カウンセラーや学校医などのアプローチが必要と理解していてもなかなか関与できないことが多い。

学校医とカウンセラー

学校内ではカウンセラーによる「こころの問題」対策が必要である。学校外では家庭を取り巻く地域の協力が必要不可欠である。

特に凶悪犯罪まで引き起こした事例で、原因が精神科疾患による場合は、学校内のカウンセラーによる対応だけでは困難であった。学校医と学校関係者、専門医とその家族との密接な連携が必要である。

那覇市こころの問題ネットワーク

これらのこころの問題が深刻化してからの対応はとても困難である。深刻化する前に対応する必要性が求められている。

小学校の低学年や幼稚園・保育園などの早期にこころの問題対策を取るために、沖縄県那覇市医師会は「那覇市こころの問題ネットワーク」を構築した。ネットワーク間で連絡を緊密にして、子ども達が健康で心たくましく成長できるようサポートしている。