87号 2008年 6月17日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 「咽頭結膜熱」はプールを介して流行することが多いため、プール熱といわれます。例年、プール熱は6月ころから流行しはじめ、7~8月が流行のピークです。

 アデノウイルスという微生物が接触感染によって人の体に寄生することによって発症します。感染から発症までの潜伏期間は、約5~6日といわれています。主な症状は発熱、咽頭炎、結膜炎です。乳幼児の場合、嘔吐や下痢を伴うことがあります。

プール熱の症状

  • 高熱
    38~40℃の高熱が4~5日間続きます。
  • ノドの痛み
    ノドが赤く腫れ、4~5日間痛みます。咳が出て、扁桃腺炎を伴うこともあります。
  • 結膜炎
    目が赤く充血し、痛み、目やにが出て、目を開けているのがつらくなります。

※そのほかに、頭痛、寒気、食欲不振、吐き気、下痢、鼻水などの症状がでることもあります。

プール熱のケア

  • 食事
    喉が腫れて痛みを伴います。食欲がない場合はそうめんなどのどを通りやすい食事を用意しましょう。
  • 水分
    水分は十分にとりましょう。麦茶、イオン飲料などを冷やしすぎないようにして与えましょう。
  • 入浴
    熱があっても、特に具合が悪くない場合は汗を流してもかまいません。

プール熱の予防法

  • プールに入る前
    手やおしりをよく洗いましょう。
  • プールから上がったら
    必ずうがいをして、目や手を洗いましょう。
    シャワーでプールの水をきちんと洗い流しましょう。
    体を拭くときは自分専用のタオルで拭きましょう。
  • 家では
    タオル、洗面器、食器などを家族と共用しないようにしましょう。
    手や指をひんぱんに石けんや流水で洗いましょう。
  • 幼稚園、学校
    症状が消えてからも2日間は学校をお休みして、お友達との交流もひかえましょう。

高熱が3日以上続いたり、ノドが腫れたり、目やにがとまらない場合は病院で診察を受けましょう。