202号 2017年 9月 21日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

RSウイルス感染症は「RSウイルス」によっておこる乳幼児の呼吸器感染症です。通常、すべての子供が2歳までに感染するとされています。今年は例年より早く、7月から流行しています。例年の流行時期は10月から12月にかけてですが、3月から5月頃まで流行が続くこともあります。

RSウイルスの感染から発症までの潜伏期間は、約4~6日といわれています。感染経路は、せきやくしゃみなどの飛沫感染、手指を介した接触感染です。ウイルスの排泄期間が7~21日と長いため、感染が広がりやすいウイルスです。

一般的には、鼻汁、咳、発熱などの上気道症状が現れます。通常は1週間~2週間程で治ります。乳児が鼻汁、咳に引き続いて「ぜいぜい」してくる場合は、その30~40%がRSウイルス感染症によるものと考えられます。

症状

  • 水のような鼻汁
  • 鼻づまり
  • ひどい咳、むせるような咳
  • 発熱

※1歳ぐらいまでの子どもの場合、細気管支炎を起こして重症化することもあります。

診断方法

  • 抗原検出キット
    鼻の奥の粘膜を綿棒でこすって調べます。30分程度で診断結果がわかります。
  • 胸部レントゲン(細気管支炎の診断)
    聴診器では判別しにくいため、胸部レントゲンの診断が大切です。
    肺に空気がたまり気味になるので、肺が黒くうつります。

ケア

  • 水分の補給
    脱水気味になると、痰(たん)が粘り、吐き出すのが困難になるので、水分を十分にとりましょう。水分をとれない場合は少量づつ頻繁に与えましょう。

予防方法

  • 手洗いとうがいをする
  • 患者さんとの接触を避けること
  • 子どもの体調の変化に注意すること
  • マスクをする
  • 「咳エチケット」を守る

熱が下がってもせきが続く、呼吸の数が増える、咳きこんで嘔吐してしまうなど、悪化の兆候がある場合には、早めに医師の診察を受けましょう。