手足口病大流行の兆し

116号 2010年 5月 21日
沖縄県感染症サーベイランス担当 真栄田 篤彦

 手足口病は、夏風邪の一種といわれています。流行のピークは夏季ですが、秋から冬にかけても発生が見られます。現在、全国での患者数は過去5年の平均に比べて8.5倍となっていて、すでに大流行の兆しがみられます。今回流行している手足口病は発熱をともなうことが多く、高熱が多くみられます。

 手足口病の原因は、コクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71などのウイルスです。感染から発症までの潜伏期間は、約3~6日といわれています。感染経路は、咽頭分泌物に含まれるウイルスの飛沫感染(空気感染)、または便に排泄されたウイルスの経口感染です。感染が最も強いのは急性期ですが、回復後も2~4週間にほど便からウイルスが排出され、感染源となります。今年はエンテロウイルス71が全体の50%以上を占めています。エンテロウイルス71は髄膜炎などの合併症を引き起こしやすいウイルスです。

 一般的には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が、1週間から10日程度で自然に治ります。最もかかりやすい年齢は0~4歳ですが、成人にも感染します。症状は年齢がすすむにつれて軽くなる傾向にあります。手足口病に対する特異的な治療法はありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。

手足口病の症状

  • 発疹と水疱
    手のひら、指、ひじ、足の裏、ひざ、おしり、口腔内に水疱性の発疹があらわれます。乳児は特におしり、ひざ、ひじに発疹がよくみられます。発疹は5~6日で消えます。
  • 軽い発熱
    38℃以上の熱が出る子供は全体の30%ぐらいです。半分ぐらいの子供は熱は出ません。発熱した場合でも2~3日で下がります。
  • 食欲低下
    口の中に発疹ができると、食物が発疹を刺激して痛むことがあります。

※下痢、脱水、頭痛、吐き気、嘔吐、けいれん、高熱、中耳炎、髄膜炎の症状が出ることがあります。コクサッキーウイルスA16の感染では心筋炎を合併する確率が比較的高くなります。エンテロウイルス71の感染では中枢神経症状が現れることがあります。

手足口病のケア

  • 食事
    かまずに飲み込めるような食事を用意してあげましょう。 熱いもの、塩味や酸味の強いものは控えましょう。
  • 水分
    水分を十分にとりましょう。麦茶、イオン飲料などを与えましょう。水分をとれない場合は少量づつ頻繁に与えましょう。
  • 入浴
    熱があったり、具合が悪い場合は、入浴を控えましょう。

手足口病の予防法

  • うがい
  • 手洗い
    特におしめ等を交換した時にはよく洗いましょう。 
  • 汚れた衣服を洗濯する
    分泌物や便に排出されるウイルスから感染する場合があります。
  • 幼稚園、学校
    熱や痛みがなく、症状が落ち着いてきたら、行ってもかまいません。

 高熱や頭痛・嘔吐がひどい場合等には、早めに医師の診察を受けましょう。